フィルム型ペロブスカイト太陽電池(PSC)の具体的な導入事例が、北九州市から発表されました。設置先は北九州市立横代中学校の体育館です。
今回の特徴は、太陽電池を施設側が所有するのではなく、PPAモデル(第三者所有方式)を使って導入することです。北九州市の公式発表では、PPAモデルを活用してフィルム型ペロブスカイト太陽電池を公共施設へ導入する取組として、国内初とされています。[1]
今回の取組はどんなもの?
この取組は、北九州市、西部ガステクノソリューション株式会社、株式会社北九州パワーの3者が連携して進めます。3者で提案した案件が、環境省の令和8年度「ペロブスカイト太陽電池の社会実装モデルの創出に向けた導入支援事業」に採択されました。[1][2]
導入するのは、北九州市立横代中学校の体育館屋根です。太陽光モジュールの設備容量は10.56kW。北九州市の発表資料では、2027年1月の設置が予定されています。[1]
設備は西部ガステクノソリューションが所有し、保守・メンテナンスも担います。そこで発電した電力を小売電気事業者の北九州パワーが買い取り、北九州市側へ供給する仕組みです。北九州市は施設の所有者として、使用した電力の料金を支払います。[1][3]
PPAモデルとは?
PPAモデルは、設備を利用する側が太陽光発電設備を購入・所有するのではなく、PPA事業者が設備を設置して所有し、利用者はそこで発電した電力を購入する仕組みです。
誰が設備を持ち、誰が維持管理し、発電した電力をどのように届けるかを組み合わせて導入します。今回の案件では、西部ガステクノソリューションと北九州パワーがそれぞれの役割を担い、公共施設へ電力を供給します。
PPAの契約条件や費用の分担は、導入する施設や案件によって異なります。今回公表された仕組みを、すべてのPPAにそのまま当てはめることはできません。
フィルム型PSCとPPAの組み合わせ
フィルム型ペロブスカイト太陽電池には、薄く、軽く、曲げられるという特徴があります。北九州市の発表資料では、従来のシリコン型太陽電池パネルでは設置しにくかった、耐荷重が限られる屋根や建物の壁面なども設置候補になると説明されています。[1]
こうした特性を持つ設備に、既存の電力供給モデルであるPPAを組み合わせた点が、今回の事例のポイントです。実際の学校施設で使われることで、発電性能だけでなく、設置、保守、電力の買取・供給といった運用面の知見も得られます。
実際の施設での導入事例が出てきている
ペロブスカイト太陽電池については、研究開発や実証に関する発表が多く見られてきました。最近は、今回のように既存の電力供給モデルと組み合わせ、公共施設へ導入する計画も具体化しています。
なお、H&Sは本案件に関与していません。本記事は、北九州市と関係機関が公表した資料をもとに、導入の仕組みを整理したものです。
H&Sでも、フィルム型ペロブスカイト太陽電池や関連材料について、国内外の動向を引き続き紹介していきます。
