仕様書は『工場が判断しなくてよい状態』を目指す

『高級感のある木目』『しっかりしたつくり』のような表現は、人によって判断が変わります。仕様書では、完成寸法、公差、材料の樹種・等級・含水率、金属材の種類と厚み、塗装色・艶、張地品番、ウレタン仕様、金物、接着剤、荷重条件などを、可能な限り測定・照合できる形で記載します。

図面と仕様書には版番号を付け、変更履歴を残します。口頭やチャットで決まった内容も正式資料へ反映し、量産現場が参照する最新版を一つにします。工場からの材料・工程変更は、事前に書面承認を得るルールとします。

家具仕様書に入れたい項目

製品の特徴に応じて項目を追加します。特に、見えなくなる内部構造と、個人差が出やすい外観基準を省略しないことが重要です。分解・組立式では、部品表、金物、工具、組立手順、締付条件も管理します。

  • 三面図・断面図・詳細図・部品表
  • 完成寸法・部品寸法・許容差
  • 木材・合板・金属・樹脂・張地・クッション
  • 接合方法・金物・接着・溶接
  • 塗装色・色差・艶・木目方向
  • 強度・安定性・耐久性などの要求
  • 外観不良の区分と限度見本
  • 梱包・ラベル・取扱説明・予備部品

承認サンプルを量産品質の原点にする

最終サンプルは、写真を撮って承認するだけでなく、図面と照合し、材料、寸法、色、機能を記録します。署名または承認番号を付けた同一基準品を発注側と工場側で保管します。生地、塗装、木部などは部材見本も残します。

サンプルと量産で材料や工程が変わると、承認の意味がなくなります。量産と同じ材料、設備、治具、作業方法で作られているかを確認し、例外があれば再評価します。

検品は4段階で設計する

第一は原材料・部品の受入確認です。品番、色、厚み、数量を量産前に確認します。第二は初品確認で、量産ラインの最初の製品を承認サンプルと比較します。第三は工程内検査で、骨組み、接合、下地、塗装前など完成後に確認できない箇所を見ます。第四は出荷前検品で、完成したロットの数量、外観、寸法、機能、梱包を確認します。

どの段階で誰が止める権限を持つかを決めておくと、不具合を抱えたまま次工程へ進むことを防げます。検査結果は製造ロットと関連付け、写真と数値で残します。

出荷前検品の判定基準を明確にする

抜取検査では、ロット、サンプル数、合否判定を事前に合意します。不良は、安全性や機能に関わる重大不良、使用・販売に影響する主要不良、軽微な外観不良などに分類し、それぞれの許容数を設定します。案件リスクに応じて全数検査も組み合わせます。

椅子やテーブルは、がたつき、傾き、荷重時の異音、可動部、角部、金物の締結を確認します。収納家具は、扉・引出しの動作、隙間、転倒対策部品、棚板、取手を確認します。必要な性能試験は、適用規格や販売先の要求に基づき別途計画します。

破損を防ぐ梱包試験と表示

家具は、工場内では問題がなくても、長距離輸送の振動、落下、積み重ね、湿気で損傷することがあります。角部、脚、ガラス、塗装面、可動部を保護し、製品重量に合う外箱とパレットを使います。必要に応じて試験梱包で落下・振動・積載を評価します。

外箱には、商品番号、色、数量、重量、箱番号、向き、取扱注意、納品先を表示します。複数箱で一商品になる場合はセット関係を明確にし、現場での紛失や取り違えを防ぎます。

不具合は証拠と再発防止で処理する

到着時は、コンテナ、外箱、ラベル、製品の状態を開梱順に記録します。不具合があれば、品番、数量、ロット、箱番号、現象、発見日時を写真・動画とともに共有します。現物を処分・補修する前に、工場や保険会社が必要とする証拠を確認します。

原因分析では、なぜ発生したかだけでなく、なぜ工程内検査や出荷前検品で流出したかまで確認します。対策を図面、仕様書、治具、作業標準、検査表に反映し、次回ロットで有効性を確認します。

よくある質問

仕様書は日本語だけでもよいですか?

製造現場が確実に理解できる言語を併記するのが望ましいです。単純翻訳だけでなく、図、番号、単位、限度見本を使い、解釈の余地を減らします。

サンプルが合格なら量産品も問題ありませんか?

サンプル合格は出発点です。量産時の材料、設備、作業者、数量でばらつきが生じるため、初品・工程内・出荷前の確認が必要です。

検品会社へ任せれば仕様書は簡単でもよいですか?

いいえ。検品会社も、合否基準がなければ適切に判定できません。発注者が仕様と許容範囲を決め、検査指示書として共有する必要があります。

中国家具OEMの品質を、発注前から設計します

株式会社H&Sが、仕様書づくり、サンプル承認、工場との調整、量産・出荷前検品、輸送まで支援します。

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